◆毎年恒例、暮れの「まちポレ支配人セレクト 『2025年絶対にスクリーンで見ておくべき映画たち』アンコール特集」。
今年は11/28から3週間に渡って、「侍タイムスリッパー デラックス版」「小学校 それは小さな社会」「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」の3作品を週替りでお届けします。
そこで今回は「侍タイムスリッパー」の初見の感想を綴った、1年前の137号を取りあげます。
◆『まちポレ壁新聞』最新173号『うちへ帰ろう』(11/27発行)は、5階ロビーに掲示中です。
※151号以降のバックナンバーのファイルもあります。
まちポレ壁新聞 №137 2024年10月1日
災い転じ
駅前純情シネマ その31
いつ以来になるだろう、休日に映画のハシゴをするのは。
記憶にあるのは、「K.G.F:CHAPTER1&2」、それと「聖地には蜘蛛が巣を張る」「波紋」を見て以来だから、一年以上無かったか?
夏場はどうしても実家の管理に手を焼き(早いハナシが草刈です)、映画を見る時間が削られてしまいます。
今回のメインは、小名浜公開に先駆け、時間が合わずに一度は諦めた「侍タイムスリッパー」を見るため。2時間かけて隣県までのチョイ遠出。
水曜日ということもあって、客席は6割近い入り。若者は少なく、「水戸黄門」(=心配無用ノ介w)世代が多いのが意外。
私はいわゆる自主映画かと思って見始めたのですが、そんな先入観、偏見はすぐに吹っ飛びました。単にスタッフやキャストのことを知らないだけで、ホンモノなのです。驚きました。こりゃあヒットするわけだ。何十年も前に「ゴースト/ニューヨークの幻」を見たときに“プロの仕事”と評したのを思い起こしました。
手あかのついた言葉で言えば、とにかく“巧い”のです。
物語のキーとなるタイムスリップの構成も見事だし、おまけにオチまで付いている絶妙さ。加えて、そのワープ先なるのが2007年と周到です。
私はてっきり、助監督がついに「心配無用ノ介」で監督デビューという展開かと予想していたら、まさかそう来るかという展開。
映画を愛してやまない熱意、先達への畏敬の念が感じられ、観客が前のめりになって、固唾を飲んで見入っているのが伝わってきます。客席とスクリーンの一体感は半端ではなく、ついぞ味わえなかったものです。
この日の年齢層は高めだったこともあり、もうひとつピンとこないズレ感も多少はありましたが、終映後には、期せずして拍手が起き、その輪が数か所に広がりました。ヨソの劇場ではありましたが、同じ時を過ごしたお客様にありがとうと言いたい気持ちでした。
ところで、実は私の方にもオチというより落ち度はありまして、前日にもこの映画を見るために出かけていたのです。途中でお昼を食べながら念のために時間を確認したら、何とあと10分ぐらいで始まります。あちゃー、またやってもうたワイ。下調べした夕方の時間は、一度諦めた土曜日のもの。平日はお昼の時間に変わっていたのでした。
いつもの長いあとがき
そんなわけでその日の鑑賞を諦め(というか見られない)、同じ轍を踏むまいと改めて翌日の時間を確認したら、何と、午前に「ぼくのお日さま」もやっています。しかも、ゆっくり昼食を摂って充分にハシゴできるスケジュールです。
この機会を逃すまいと、翌日は早めに出かけることにしました。
残念ながら客席はガラガラです。もともと女性客が中心になるのは予想できるのに、水曜日でこの入りでは、10/18からの上映に不安がよぎりました。
しかし、映画は好編でした。台詞は少なく、<絵>で語るので、“映画を見たなぁ”という多幸感が味わえます。ラストに至っては観客に判断を委ねているとも言えます。ポスターの何気ないデザインも、最後に明かされます。
台詞が饒舌でない分、<通過>してしまったところもあり、再見することでより深く理解できそうに感じました。幸い自分のところで見られそうだな。
そんなわけで自分のアバウトさが転じて福を招き、充実した時間を過ごせ、しかもあとあとまでも余韻に浸れる一日となったのでした。
ところで、前回の発行から丸1ヶ月以上経ちます。以前にも書きましたが、このところ発行ペースが停滞気味なのは、SNSへの投稿が増えたためです。
もともと壁新聞は作品の感想よりも、映画の周りの<日常小ネタ>による連鎖なので、どちらかというとXの140字の方が向いているのかもしれません。
つい先日は、その<小ネタ>が面白いから話しを聞かせてほしいと、制服姿の高校生がやってきました。新聞部に所属しているからでなく、将来映像に興味があるからという極めて個人的でピュアなものです。
手許のバインダーのファイルには、あらかじめ用意してきたメモがびっしり2ページに渡って書き込まれています。この日の訪問は、あらかじめ申し入れを受けたあとの2度めだったのですが、「間違いなく、未来永劫、壁新聞最年少の読者ですね」という息子よりも年下の質問に受け答えすること50分。いろいろ脱線もしながら質問も回答も多岐に渡ったのですが、①5階ロビーのサロン化、②映画を伝えていくこと。気が付けば何度か書いているこの二つを、繰り返していました。壁新聞ものその一つですと付け加えながら。
今回の取材?が進路の参考なることはあり得ないけれど、伝承と<志>のある「侍タイムスリッパー」、20代の俊英監督作品「ぼくのお日さま」を続けてみたこともあり、逆に自分の思いを新たに見つめ直すこととなりました。その高校生にはありがとうという感謝の気持ちです。
書きながら今回の締めはこれで行こうと浮かんだ言葉を最後に―。
あーどこかで、「侍タイムスリッパー」と「蒲田行進曲」を2本立てでやってくれないかなぁ(笑)。 (沼田)











