◆最新号の内容は言うなれば「R60+」だったのですが、その中で触れた「サラバンド」に絡めた過去のものを探したら、既にアーカイブで取りあげていたりたどり着かなかったりだったので、チラ見せで何度も書いている「クリムゾン・タイド」と、映画音楽に触れた3年半前の76号を紹介します。「連想ゲーム」と見出しを付けていますが、「そういえば」というスタイルは毎度毎度のことですね。
こちらは後編のようなもので、75号は「ショーシャンクの空に」に始まり、「ついで見」効果に触れました。
◆『まちポレ壁新聞』最新174号『あうん』(12/9発行)は、5階ロビーに掲示中です。
※151号以降のバックナンバーのファイルもあります。
まちポレ壁新聞 №76 2022年6月12日
連想ゲーム
Time My-Scene ~時には昔の話を~ (vol.41)
前回は<ついで>のハナシが長くなり、もう一つ展開しようとした「山桜」(2008年)までたどり着かず、その続きを。
「秋桜(コスモス)」と似たタイトルから、「山桜」に結びつけようという作戦だったのです(笑)。御贔屓の田中麗奈ちゃん主演です。
藤沢周平原作で、監督は篠原哲雄。
うーん。ちょっと…。<いい映画>ではあるんですよ。主演男優のせいかなぁ? それでもラストの<親子の通い合い>は何度見てもジーンときます。分かっているのに。原作の力と、二人の女優の存在と。
もう一つ、テレビ放映から声優さんに持っていこうとも考えていました。
私は疎いのですが、最近は「鬼滅の刃」絡みの声優さんが人気らしく、よく起用されているようで、「ショーシャンクの空に」や「ローマの休日」で声を充てましたね。話題作りにはなったかもしれませんが、私の回りでは『違う』という声が多かったです。例えば、ヘップバーンならやはり池田昌子さんがイコールで結ばれますよ。
「ショーシャンクの空に」の封切時、私はギル・ベロウズという俳優に目をつけ、絶対にブレイクすると睨んでいたのですが、見事外れました(笑)。印象に残る役だったし、ルックスもいいのに。もともとブラッド・ピットが予定されていたそうで、風貌も似ていません? 儲け役だったというだけなの? どうして鳴かず飛ばずで終わってしまったのか、四半世紀経った今なら分かるかな?
この1995年という年は、「フォレスト・ガンプ/一期一会」が巷の話題を席巻した年でした。偶然なのか、春先に都内などでは公開されましたね。また、「パルプ・フィクション」も同年です。
この3本のアメリカ本国公開は前年で、いずれもアカデミー賞に多数ノミネートされましたね。「ショーシャンクの空に」は7部門で候補に挙がっていたのに、受賞はならず。逆にそのギャップと世間的ネームバリューの低さからか、尚更<実は生涯のベスト>という声が大きいのかもしれません。
この「ショーシャンクの空に」と「パルプ・フィクション」、そして今、BGMとして流している「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(無関係ですが、日本では全て松竹富士の配給(「セブン~」は日本ヘラルドとの共同配給)によって公開されました。この配給会社については一度取りあげたけど、もう一度触れたいですね。とにかく、良作の宝庫でした。
いつもの長いあとがき
これも前回ネタなのですが、「信濃のコロンボ」シリーズを見ていたら、BGMにヨーヨー・マの「リベルタンゴ」が使われていたのです。で、早速「プレイズ・ピアソラ」を引っ張り出して聴いて、じゃ次はコレということからヨーヨー・マが参加している「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を流しているわけです。
この映画のエンディングは、背景の白い山々から暗転してクレジットがスクロールしていくというものだったと記憶しているのですが、そこに流れるのがジョン・ウィリアムスの曲でした。主題歌のない、いかにも映画音楽らしいサントラで、久々にじっくりと余韻に浸りながらクレジットを仰ぎ見るという感じでした。サントラの解説書には、ジョン・ウィリアムスを中央に配し、ジャン・ジャック・アノー監督とヨーヨー・マが両脇で囲むという貴重な3ショットも収められています。
「ショーシャンクの空に」の原作は「刑務所のリタ・ヘイワース」ですが、スティーブン・キングの原作には<もう一人の女優>が登場するということを当時、常連さんがお便りで教えてくれました。あの頃は番組表を発行していて、読者のページもあり(というよりそっちがメイン)、お客様とのキャッチボールが密でした。恒例のベストテンごっこも当然あり、観客+映画館スタッフの投票で行っていましたが、見事に1位に輝きました。
今ロビーに掲示しているプレスシートは封切当時の物のコピーですが、A4の茶封筒を模したセンスあふれるものです。
「クリムゾン・タイド」(これも1995年の製作公開)にはタランティーノがノンクレジットで脚本に参加しています。トニー・スコット監督と「トゥルー・ロマンス」以来の親交からなのか、逆にケンカして降りたのか定かではありませんが、クスッというセリフが満載です。
命綱の無線が直らないという極限状況の中で、「スター・トリック」のカーク船長を引き合いに出し、部下をリラックスさせながらも同時に鼓舞するという絶妙さなど、オタクの彼ならでは(笑)。
そういえばタランティーノ監督は、秋ごろ本を出版するそうですね。かなりの高額が予想されるけど、創作の秘密が紐解けそう。ただ、残念なことに日本発売は未定らしいけれど。
事務所を整理していたら、「トップガン/マーヴェリック」の最初のティザーチラシが出てきました。今のとは全く違うイメージデザインだし、公開日も2020年12月25日と入っていました。長かったなぁ。
実は私、「トップガン」を見ていないのですが、36年を経て製作され大ヒットしている続編を見て、トニー・スコット監督が生きていたら何と言ったか。
(沼田)











