◆たまにお届けしている最新版のほぼ同時発行。
今回は、「古い新作」とバリバリの新作と、これから上映するかもしれない新作に、墓碑銘を加えて綴った177号をお届けします。
◆『まちポレ壁新聞』最新177号『血』(1/9発行)は、5階ロビーに掲示中です。
※151号以降のバックナンバーのファイルもあります。
まちポレ壁新聞 №177 2026年1月9日
血
駅前純情シネマ その70
正月休み、のんびりと録画したものを見ようと「新幹線大爆破」を再生しました。すると最初の健さんのアップのシーンで、スマホをいじりながらチラ見していた息子が「なに、この『ゴルゴ13』みたいなのは」と呟やいたのです。もちろん息子が健さんの過去の出演作など知るはずもなく、「顔を見たことある」程度。もしかしたら「南極物語」は、妻に付き合って見たことはあるかもしれません。それでも、瞬時に「ゴルゴ13」を連想したことに、我が息子ながら感心してしまいました。
その後も最後まで付き合って…と続けたいところではありますが、妻が帰宅したのでチャンネル権を奪われ、途中で「上映中止」と相成りましたとさ。
その昔、お正月といえば毎年のように、「大脱走」や、「十戒」「史上最大の作戦」など、長時間大作の一挙放映があったものです。こんな時期でなきゃ、茶の間で4時間近い長さに付き合うことなんて出来ないもの。しかし、それも今は昔。令和の時代だとさしずめ「エクスペンダブルズ」あたりがとって代わっているのかな?てなことを思っていたら、何と何と、BS12が、そのどちらもオンエアーしてくれるじゃないの! さすがだわ、BSトゥエルビ様。
さらに昔、シネコン以前、換言すれば映画館が単独の建物だった時代、大体どこの劇場でも日計最多動員というのは1月3日に記録していました(沼田調べ。記憶による)。例えば、「JAWS」や「大地震」などが各劇場の記録を持っていたのです。つまり、作品の力でなく(もちろんそれもあるけれど)、お正月の3日は、映画館が一番ごった返したわけ。「男はつらいよ」などその典型ですよ。大晦日近くに封切られるのに年内はさほどではなく、正月に入ると人で溢れ返るという。この現象を、私は「劇場版 ちびまる子ちゃん」第1作で経験しました。日にちまでは覚えていないけれど、ピークの日は、小さい子どもがハイハイして立ち見の人混みを駆け抜けていったのですよ。コレ、誇張でなく実話です。
この辺りはまさに「a long time ago」のような話です。今は休みが長くなった分、人の流れが読みにくくなりました。昔は簡単でしたよ。御用納め→お正月の買い出し→大掃除→初詣→2日か3日が初売り、と決まっていて、この流れに沿って、あとはカレンダー見て人員配置を調整するだけ。ちなみに今年でいうと一番動員が良かったのは小名浜が3日、一方まちポレは2日でした。
お正月の光景も様変わりしましたよね。昔は、デパートの店員さんが着物姿で福袋を売りさばく映像がよく流れていました。会社にも着物姿の方はいて、華やかな反面動きづらそうでした(笑)。そういえば、今年モール搬入口でフロントグリルにお飾り付けている車を見ました。何十年ぶりだったろう?
いつもの長いあとがき
「国宝」について一度も触れてこなかったのは、長らく未見だっただけです(笑)。いざ見てみると、堪能しましたね。3時間を全く長く感じないし、すぐにリピートしたくなりました。そして、鑑賞前は何とも思わなかったポスターのタイトルロゴに深い意図があるのも初めて分かりました。端正な明朝体で彩られた「宝」の最後の一画が、赤い濁点になっているのが目を引きます。単なるビジュアルと思わせながら、見て初めて感嘆する、何気ないけど凄い視点のデザイン! 秀逸です。
ロゴの「赤い雫」に気づいたのは鑑賞後だったし、本編では最後にタイトルが出たためそのことに気がいっていたので、スクリーンではどうだっただろ?
見て納得したのは、「世界一不運なお針子の人生最悪な1日」のポスターも同様。青赤黄色の3本の糸が絡みついたピストルと針。本編は、その糸がまるで三叉路のように分かれていくオープニングタイトルでしたが、鑑賞してその意味が分かるわけです。私は途中で、グウィネス・パルトロウ主演のある映画を思い出しました。監督は、まだ20代とのこと。驚異の才能だわ。
お客様からの問合せに加えて、自分でも気になっていた「プラハの春 不屈のラジオ報道」を、東京出張の折に見てきました。アニメを除けば、チェコの映画は初めてかもしれません。チェコの1968年民主化運動を背景に、不屈のラジオ局職員にスポットを当てた、史実に基づく物語です。始まってすぐに縮小したスコープサイズで進行するため、実際の映像が使用されるんだろうなということが想像されます。事実、そうなるのですが、演じる俳優たちも当時の映像に登場した(ように思う)ので、もしかしたら、そう思わせる演出だったのかもしれません。その辺はパンフレットが完売だったために確認できずじまい。
それにしても、いつ、どの時代にも圧力に屈しない「志」を持った市井の人々はいるんだと、こちらも感嘆させられました。まちポレでかけるか、思案中。
大晦日の紅白には、70代の歌手が随分出ていましたが、布施明さんを聞きながら「そういえば、オリビア・ハッシーが逝ってもう一年か」、「駅/STATION」を見ては、「舟唄」も生では聞けないんだな、いしだあゆみさんも鬼籍に入りあの演技には触れられない、仲代さんが設立に関わった能登演劇堂には必ず行きたい…そんな墓碑銘を刻んだ年の瀬でした。
※今回の見出しタイトルは、息子と「国宝」からです。 (沼田)











