壁新聞

【『まちポレ壁新聞 -電子版-』更新しました。】Vol.113

◆身の回りで、悲しい出来事がありました。今回のアーカイブは前説なしで、比較的新しい2ヶ月前の175号をお届けします。

それこそ、「マッキ―」となって転生してほしい!

◆『まちポレ壁新聞』最新184号『記憶の彼方』(3/4発行)は、5階ロビーに掲示中です。

※161号以降のバックナンバーのファイルもあります。

まちポレ壁新聞 №175  2025年12月30日

さらば友よ

駅前純情シネマ その68

例えば、この見出しを見たら、おそらく誰か私に近しい人が亡くなったんだなと思う方がほとんどでしょうね。あるいは、ちょっとした映画ファンならアラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンの「あの」シルエットが浮かんでくるかもしれません。

では、「インディアン・サマー」というヒントを続けたらどうです?  きっと頭の中はさらに?マークで埋めつくされることでしょう。いくら時事ネタとはいえ、よっぽどマニアックな映画ファンでもない限り、「さらば映画の友よ/インディアン・サマー」と関連付ける方は極少と思われます。これ、先ごろ亡くなった原田眞人さんの監督デビュー作のタイトルなのです。

 

訃報を聞いて、天邪鬼な私が最初に浮かんだのが実はこのタイトル(=言葉)でした。それまで、映画評論家として(確かアメリカから)健筆をふるっていた彼が、映画監督としてデビュー作に選んだのは(脚本も)、「一年365本映画を見る、それを20年続けること」を生きる糧としている映画マニアが主人公。扮するのが川谷拓三さん。全編に渡って映画愛とパロデイが溢れる、好ましい作品です。

ただ、今回訃報を受けて40数年ぶりに再見しましたが、決して成功作とは言い難い出来でもあります。冒頭、名画座に入り浸っている川谷さん演じるダンさんは、いつもの「自分の指定席」に陣取ったものの、後方に座る女性グループのおしゃべりが気になって仕方ありません。とうとう我慢の限界に達し、立ち上がって注意しに行きます。すると、付き合って一緒に見ていた妻は、この場面で私を指差しました。「あなたと同じ」って(笑)。その通り。かつて、真後ろに座った〇カップルがうるさくて、しかも女性の方は知人だったため、「○○さんですよね。静かにしてもらえません」と名指しで注意したことがあります(笑)。ダンさんだったら「人から愛されるように映画見られないの?」というところですね。

この場面がきっかけで、同じ映画を見ていたもう一人の主人公である浪人生と意気投合し、ストーリーが膨らんでいくのですが、浪人生役の重田尚彦さんは他の出演作が浮かんできません。今、どうしてるんだろ?

 

話を原田眞人監督に戻すと、メジャーの大作を手掛ける大監督となってからは、私が映画と離れていた時期と重なっているため、「金融腐蝕列島・呪縛」「クライマーズ・ハイ」ぐらいしか見ていないのですが、後者は作品の完成度はもちろん、まちポレの前身、ポレポレいわき時代にワンコインシネマで連続上映したことが思い出されます(もう一本は「少年メリケンサック」)。共にいわき初公開作品をレンタル料金以下で楽しめたんですから、お得な企画でした。

いつもの長いあとがき

原田監督作品は、デビュー作からして毎回スゴい顔ぶれの俳優が並ぶのですが、役者の皆さんが出たがっているんだろうなという想像が働きますね。

浅野温子さんは、多分これがデビュー二作目で、このあと「スローなブギにしてくれ」など角川映画のヒロインに抜擢されていくわけです。

 

今年、「狂い咲きサンダーロード」が数十年ぶりにリバイバル公開されることが決まったときには興行的不安を感じたものですが、普段は見かけない感じのお客様がいらしてくれて、見事それを払拭してくれました。(封切当時の)石井聰互監督の商業映画デビュー作が「高校大パニック」で、こちらもデビューとなったのが浅野温子さん。当時の私は8ミリ作品も見ていたので、今でいう「ぴあフィルムフェスティバル」にまで熱心に足を運び、オリジナルの「高校大パニック」8ミリ版も見ていたもんなあ。怠惰な今とは大違いだわ(笑)。

 

遊び惚けていた当時と違い、今は家庭の事情で映画館へ出向く時間がとりにくくてご無沙汰気味なのですが、今年の掉尾を飾ろうと出掛けたのが「KILL 超覚醒」と「バーラ先生の特別授業」のインド映画ハシゴ。

前者は、「新感染」のR15版のようなイメージで臨んだのですが、イヤイヤそれどころかこりゃR18じゃないのというぐらい過激でした。マ・ドンソクと本作の精悍な顔つきの男優さん(まだ名前覚えきれず)の違いもありますが。フィアンセ役は、史上最大のお目目バチバチのヒロインでしたね。アクションシーンの合間に恋人のカットが何度もインサートされるのは、描写を和らげるためと、もう一つ怨念の情の表現もあったのでしょう。

「バーラ先生」は半年ぶりとなる再見でしたが、客観的にみるともう少し絞れそうには感じました。それでも小細工なし、ど真ん中直球勝負の構成には素直に感動させられます。ご覧になったお客様から、ココナッツをたたき割る場面の意味を尋ねられましたが、その時は答えることが出来ませんでした(再見後に調べて理解しました)。

 

今回の「インド印映画まつり」は、「マッキ―」といい、上記2作品といい、かなりご満足していただけたと自負しております。 余談ながら、「マッキ―」の入場者プレゼント「スディープ社長の名刺カード」をお配りした際、「可哀そう」と呟いた若い女性のお客様がいらっしゃいました(笑)。再見ということですね。そうそう、マサラ上映では段ボール箱でサウナを作っていらしたお客様も(笑)。皆さん、やってくれます(笑)。大事ですよ、それ。        (沼田)