◆過去と現在を行ったり来たりの【電子版】。
今回は、先日開催した『RRR』マサラ上映についてリポートした最新の104号から。上映時間も長かったけど、イベントもトータル6時間半超という長さ。比例して壁新聞も長くなり(笑)、無理やりA4サイズ2枚に収めました。もしかしたら、後編もあり?(笑)
まちポレ壁新聞№104 2023年3月19日
祭りのあとのスタンディングオベーション
Time My-Scene ~時には昔の話を~ (vol.69)
既報でご案内の通り、3月11日に「RRR」の『全部盛りマサラ上映』を行いました。この『全部』というのは、紙吹雪、声出し(マスク着用)、踊り(2場面限定)、これら全てがOKというものです。文字で表すとどこにでもある(いや、ないか)応援上映ですが、その中身の凝縮具合は濃度100%超でした。
まず初めに3月11日ということで、1分間の黙とうのご協力をお願いしました。何度も書いてきましたが、公開最初の土曜日が311に重なったというだけで深い意味は全くなかったのですが、この日に応援上映を行うことには、ずっと喉の奥に魚の小骨が刺さったままのような引っ掛かりもありました。
黙とうを行うことは事前告知せずにいたのですが、参加された皆さんも何かしら同じ思いがあったのか賛同してくださり、催事後はこの日に開催したことに意味がある、忘れないといった旨のお声をいただき、安心しました。
そして、ここからの進行はゲスト山田タポシさんにバトンタッチし、マサラがスタートしました。絶妙のトークで、前説からすでに最高潮の盛り上がり、エンジンはフルスロットル状態です。前説というのは、マサラ上映の説明や諸注意のことですが、黙とうを受けて「この映画を見られなかった人もいる」と言われたのが胸にしみました(タポシさんは茨城で被災されています)。
満席ソールドアウトのため、私は冒頭のボリュームチェック(音が吸収されてしまうため)と途中の室温チェックに入ったのみで体感は出来なかったのですが、
最初の沸点が、『♪ナートゥ ナートゥ』の場面であったことは言わずもがなです。311にいわきに来て、じゃんがらの代わりにナートゥを踊る…なんて素晴らしいことか!
場内の椅子を間引きしてあったことはアピールポイントでしたが、その分座席数が減り、痛し痒しの面もありました。天井の低さは逆に、スクリーンと同じ目線で踊れて楽しかったというありがたい反応も。皆さん本当に楽しまれたようで、「嬉しすぎて踊りながら涙が出た」という方までいらっしゃいました。
そうそう、これは当日ではなく1週目の平日のことなのですが、終映後、場内で拍手をしてくれたお客様がいたそうです。生憎私は公休でその場に立ち会えなかったのですが、もし現場にいたら、そのことに感動して泣いてしまったかもしれません。加えてその方は立ち上がっての拍手だったそうです。もう<肩車>してお見送りしてあげたい気分です。
さて、上映が終わって今度はお片付けタイムです。所要時間20分を想定していたのですが、<浜通り局地的豪雪警報発令>とでもいうべきお花紙の除雪作業となり(笑)、前回の「マガディーラ」にも参加していただいた方から「全然(量が)違いますね」と声を掛けられ、「終わらない(笑)」と返した私でした。
いつもの長いあとがき
何とか片付けを終え、ここがいわばINTERVAL。ツアーコンダクターよろしく、お客様を地下のB1プラスまでご案内。
ここからは会場を変え、本日のメインイベント、本作をはじめ数々のテルグ語映画の字幕監修をされた山田桂子先生のトークショー(MCタポシさん)です。
なんせ、「RRR」の時代背景が専門分野です。私は通常の仕事の合間しか立ち会えなかったのですが、「へぇー」と感嘆符の連続で、あっという間の1時間15分でした。予定を15分オーバーとなり、質問コーナーはこのあとの懇親会の席で各自ということになりました。
このトークショーの後半からは、「すえつぎCAFÉ」さんがカレーの準備を始めていて、美味しい匂いが場内にプンプン漂い始めました。こちらも311に合わせて地の物をというご配慮を頂き、麓山高原豚や常磐ものの太刀魚とヤリイカを具材に振舞ってくださいました。美味しかったー。
会食前には、懇親会では椅子が妨げになることから一旦椅子を下げて、ステージ前に全員並んで記念撮影。めいめいにポーズをとったり、被り物で顔を隠したり様々です(笑)。
ご参加された方々は、「RRR」見ること自体が初めての方や、応援上映の会場で顔なじみの方々もいるようでしたが、<オフ会>的なものは少なくて、(レイトショーを見られるように)二部構成にした懇親会は大変ご好評いただきました。
しかし、帰りの交通手段の関係から懇親会前にお帰りなる方もいらしたので、最後にめくる予定でいた「めくり台」の大トリを途中で披露することにしました。それは、『夏、「〇〇〇〇〇」でまたお逢いしましょう』というものです。
ここで、クエスチョン。
「 」の〇に入る有名なインド映画のタイトルを答えよ。大ヒントはカタカナです(笑)。めくった瞬間、会場がどよめき拍手に包まれました。まだ企画段階で、告知は出来ないのですが(←言ったも同然か笑)。でも、「マガディーラ」のときも『次回は「RRR」でお逢いしましょう』と言って有言実行したので、「インド印映画まつり 夏」でお逢いすべく準備してまいります。お楽しみに。
当日は夜の上映もあったため、地下会場は19時でお開き。それでもまだ話したりないという方のために5階を解放したのですが、ここで私から山田桂子先生に「RRR」を見たときから気になっていたある字幕について、直に尋ねました。「許嫁」という翻訳が確か、2度出てくるのです。これは、字幕の藤井美佳さんとどちらの手によるものなのですか?という問いです。初めて指摘されたそうで、確かに「死語」だし、読めないかもしれないよねとおっしゃってました。これに対してどういう返答だったかは、私の宝物ということにしておきます(笑)。 (沼田)