破壊される故郷を撮影するパレスチナ人青年と、彼の活動を支えるイスラエル人青年の友情を、2023年10月までの4年間にわたり記録したドキュメンタリー。
ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区マサーフェル・ヤッタで生まれ育ったバーセル・アドラーは、イスラエル軍による占領が進む故郷の様子を幼い頃からカメラに収め、世界へ向けて発信してきた。そんな彼のもとに、自国政府の非人道的な行為に心を痛めるイスラエル人ジャーナリストのユバル・アブラハームが訪ねてくる。同じ思いで行動をともにし、パレスチナ人とイスラエル人という立場を越えて対話を重ねるなかで、2人の間には友情が芽生えはじめる。しかしその間にも軍の破壊行為は過激さを増し、彼らが撮影する映像にも痛ましい犠牲者の姿が増えていく。
バーセルとユバルを含む2人のパレスチナ人と2人のイスラエル人による映像作家兼活動家が共同で監督を務め、不条理な占領行為とそれに立ち向かう人々の姿を、当事者だからこそ撮影できる至近距離からの映像で描きだす。2024年・第74回ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞を受賞。 (C)2024 ANTIPODE FILMS. YABAYAY MEDIA