◆何度か書いていることですが、「壁新聞」ではタイムリー性というのは全く意識してせん。その時に書きたいこと、閃いたことを綴っているだけです。ただ今回は、<思わず>「侍タイムスリッパー」のことを書いてしまったので(笑)、最新号をほぼ同時リリースすることにします(通算4度目なるのかな?)。
◆『まちポレ壁新聞』最新145号『よっ、待ってました』(1/22発行)は、5階ロビーに掲示中です。
※121号以降のバックナンバーのファイルもあります。
まちポレ壁新聞 №145 2025年1月22日
よっ、待ってました!
駅前純情シネマ その39
電子版の72号で予告しておきながら、最新144号はクレジットがらみの記述は申し訳程度で、およそ主題からはかけ離れたものとなってしまいました。ただ、見出しに「閃光」と付けている通り、閃きのまま綴っているので、自分でも着地点は脱稿するまで分からずじまいなのです(笑)。
「アイミタガイ」には、佐々部清監督の他もう一人、宮津まり子さんという名前も追悼クレジットされていました。その方を存じあげないのですが、どうも音楽家で、映画のピアノ指導などを行っている方のようです(本作をベストワンに選んだ友人調べ)。確かに本編には、ピアノのいいエピソードがあります。
「○○さんに捧ぐ」というクレジットは通常エンドクレジットに出てくる場合が多いですが、小泉堯史監督のデビュー作となった「雨あがる」では、いきなり冒頭から黒澤明監督の何枚かの画像のあとに、「この映画を黒澤明監督に捧げる」と大写しされます。ずっと助監督として黒澤監督に仕えてきた小泉監督にとっては恩師にあたり、山本周五郎原作を脚色したのも黒澤監督なので、まず最初にクレジットするのは当然だったのでしょう。呼応するように、スタッフもキャストも黒澤監督の薫陶を受けた方々が多数を占めています。
小泉監督といえば、1/24から「雪の花 ともに在りて」が公開されますが、今回「雨あがる」を久しぶりに再見するに至った理由、それは、山口馬木也さんの出演を確認するためでした。
役どころは三船史郎さん扮するお殿様の家臣。出演場面は、俯瞰気味のロングショットを含めても4シーンのみ。アップといえるのは、吉岡秀隆くんと共に殿の使者として、寺尾聡さんに遣いに行く場面のみ。セリフはありません。これでは初見で全く記憶に残っていなかったのもさもありなん。それでも苦節何年になるのか、「侍タイムスリッパー」で花開く時が来たのは、「一生懸命やっていれば、どこかで誰かが見ていてくれた」からなのでしょう。昨年度の主演男優賞は強敵ぞろいでハイレベルの争いですが、獲らせたいというファンの声の大きさという点においては、彼が一番かもしれません。
ずうっーと劇場で掛けていたい「侍タイムスリッパー」を、断腸の思いで 12/19にまちポレでの上映を終わらせたのは、当初から映画賞のシーズンにアンコール上映することを決めていたからです。ちょっと渇望感を感じはじめ、再見願望が高まるころにまたやろうと考えていました。
そしてやる以上は、更にパワーアップしてということで、日本で唯一の女殺陣師山野亜紀さんに三度ご登壇していただくことになりました。
思えば初回は、ご当地映画「超高速!参勤交代」で時代劇の所作などイロハを、2度目はインド味のあるイギリス映画「ポライト・ソサエティ」でアクション演出について、МCのうっしーさんとのコンビで実演を交え、お話ししていただきました。
そして今回、満を持して真打登場といった声もかかりそうな「侍タイムスリッパー」です。何より、切られ役のモデルとなった福本清三さんとは、山野さんが恩師林邦史朗さんに付いていたころに面識があり、太秦には知己の知人もいるそうです。映画館と女殺陣師のコラボは、山野さん同様日本で唯一のものです。昨秋、東久邇宮文化褒章を受章した殺陣師の実演とトークにご期待ください!
「侍タイムスリッパー」の最大の魅力は、思わず応援したくなってしまうところです。この<思わず>がポイントです。登場人物たちがみんな実直で魅力的故、自然とそうなってしまうのです。だから、昨秋だったか、どこかの劇場で応援上映をするという記事を見たとき、気持ちは分かるけどやってほしくないという、相反する感情が芽生えました。やると決めてするんじゃなくて、<結果的に>そうなるのが理想的だし、また、そうなり得る映画だと思っていたからです。
でも、多くのファンも実施を望んでいるかもしれなと思い、「応援してもいいよ上映」を行うことに決めました。別に「しなくてもいい」のです。登場人物同様控えめでしょ(笑)。近日中にご案内しますので、こちらもお楽しみに。
今回は短めのあとがき
冬休み、そして成人の日の三連休も終わり、映画館はちょっと落ち着いてきました。お正月唯一といっていい洋画「ビーキーパー」は、全くのノーマークながらスマッシュヒットとなりました。単純に洋画がヒットすると嬉しいのですが、それに水を差したのが入プレに対するつまらぬクレームです。おみくじというのを告知せず、しかも大凶だらけだったから正月早々縁起でもないというバカみたいな苦情です。まったくもってユーモアのかけらもない輩が世の中にはいるんですね。逆に、なんでそんな人がこの映画を選んだのか不思議だわ。そんな奴はジェイソン・ステイサムが叩きのめしてくれるわ!という、思わず膝を打ちたくなる痛快なコメントがネットには挙げられていました。私も「助太刀いたす」(笑)。
配給会社はお詫びのコメントを出しましたが、昔の東宝東和や日本ヘラルドの宣伝を知る身としては…。重箱の隅をつつく人はどこにでもいるんだから、相手にしなくていいと思うけど。 (沼田)