壁新聞

【『まちポレ壁新聞 -電子版-』更新しました。】Vol.51

◆「踊る大捜査線」のスピンオフ企画、「容疑者 室井慎次」が公開されたのは2005年のこと。この作品は、大々的にいわきでロケが行われました。ここ白銀町でも夜明け市場を新宿ゴールデン街に見立てたり、大工町公園に新宿北署のセットを建てたり。もちろん、柳葉敏郎さん、哀川翔アニキなども撮影に来て、当時は大変な騒ぎとなりました。
 そのシリーズが2部作となって今秋公開されることが発表されたのを受けて、今回は、エキストラにまつわることを書いた、4年半前の13号をご紹介します。

◆『まちポレ壁新聞』最新130号『映画は世界語』(5/1発行)は、5階ロビーに掲示中です。
 ※111号以降のバックナンバーのファイルもあります。

まちポレ壁新聞 №13  2019年12月14日

夢と現実のはざまで

タイトル未定の新しいコラム (その13)

 映画は全て夢の世界。だから、劇中で突然知った顔に出くわすと泡を食ってしまい、刹那現実に引き戻され、集中出来なくなってしまう。
 それが最も鮮烈だったのは、「夕凪の街 桜の国」(2007年)でのこと。
 麻生久美子ちゃんとこうの史代さんのファンの妻が借りてきたビデオを一緒に見ていたら、疎開先の場面で出てきた水戸の夫婦というのが、私の友人夫妻だったからビックリ! 
 群衆の中のエキストラではなく、茶の間で藤村志保さん、麻生久美子ちゃんと相対するという場面で、しかも寄りのショットまであったはず。こうなるとセリフこそないものの役者みたいなもんだワ。立派に出演者にクレジットされてましたよ。
 私は、それまでのんびり寝転んで見ていたのを、起きて正座して見入ってしまいました。もしこれをスクリーンで対面していたら、アッと声に出していたかも。更に奥さんに至っては、方言指導という肩書でエンドクレジットにも登場というオマケつき。
 近作の、「ブルーアワーにぶっ飛ばす」でも同様にクレジットされてました。まぁ、ネイティブ茨城弁ということでしょうかね。こちらは本編には出ていなかったはず。

 それがデビュー作の箱田優子監督は、10月に開催された水戸映画祭で、お披露目の凱旋上映に登壇。
 地元ということもあり、上映後はサイン&挨拶待ちの列が途切れませんでしたね。私は、最後の最後にその「方言指導者」たちと二言三言のみご挨拶。

 で、箱田監督がМ二高なら、М一高出なのが恩田陸さん。
 「蜜蜂と遠雷」の記憶も新しいところですが、代表作の一つ「夜のピクニック」(2006年)の映画化では、私の友人たちが大挙して先生役で出演。

 つい最近では、「ある町の高い煙突」でも、友人が≪エキストラ主演≫。
 吉川晃司さんが、グランドで日立鉱山の社員たちに演説を打つ場面で、渡辺裕之さんの後ろ側に写ってました。すごく目立つ位置で、絶対に特権(フィルムコミッション所属)乱用だと勘ぐった次第。

 まちポレでのアンコール上映が始まったばかりの「ひとよ」では、当館の番組担当者がスナックのシーンでエキストラ出演しているそう。これは公開前から教えられていたので、ちょっと落ち着いて映画が見られないかも。こちらは、その場面をアップにした一点物のポスターも作っていただいたとかで、そのパネルが職場の入り口に掲示してありました☺

いつもの長いあとがき

 たまたま私の回りにだけモノ好きが多いからか、エキストラで出まくりみたいなイメージですが、実際の現場は、エキストラの募集で四苦八苦しているようですね。

 このところ、当ビルをベースキャンプ地として独立系の作品の撮影が続きましたが、連日夜に行っているスタッフミーティングの傍を通ったら、「女性のエキストラが足りない」という不安の言葉を耳にしました。
 今を時めく若手俳優の主演だったから、盛大に募集すればあっと言う間に集まっただろうけど、それでは撮影に支障が出そうだし、痛しかゆしですね。

 今回、「夕凪の街 桜の国」で始めましたが、まさか、再びまちポレで「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を上映できるとは夢想だにしませんでした。
 オリジナル版を上映したとき、常連の男性が「二度目です。良かったから、子供を連れてきました。今年はこれと「映画 聲の形」(2016年)がベストです。(公開してくれて)ありがとうございます」と声をかけてくださったのが忘れられません。
 もともと、大ヒットしたら長尺版を作るという約束が、監督とプロデューサーとの間であったようですね。
 今回も音楽はコトリンゴのようですが、予告を見ると「悲しくてやりきれない」が流れてますね。
私は《ボイスパフォーマー》おおたか静流さんが好きなので、この曲を聴くと、彼女の清らかな澄み渡る声が流れた「シコふんじゃった。」(1992年)が、条件反射的に浮かびます。エンドロールに使われた「林檎の木の下で」も収められたアルバム『repeat performance』は3作揃ってるもんね。
 ライブも水戸に来た時行ったけど、案の定ガ~ラガラ。いーんだ、いーんだ、知る人ぞ知る存在でも。もしかしたら、幼児を持つお母さん達が一番彼女の声に触れているかも。Eテレの「にほんごであそぼ」でよく流れてたから。

 そうそう、「おかあさんといっしょ」が1月に公開されます☺
 お気づきでしょうが、秋から、まちポレは路線変更しました。
 単館系が中心には違いありませんが、小名浜で終了した作品のアンコール上映との2本柱、そして、時々ではありますが、封切も。
 1月の番組を見ると、単純にワクワクしてしまいます☺
 ジャッキー・チェンあり、新海誠監督の新作旧作の競演、40年の時を経て甦る伝説的名作(らしい。私の趣味ではありませんゾ)「ゾンビ」、初インド映画あり、映画祭で代表作「わたしは、ダニエル・ブレイク」が上映されるケン・ローチ監督の新作「家族を想うとき」も控えてると来た。

 あぁ、もう紙面がない! 麻生久美子ちゃんで始めながら、「時効警察」に触れずに…。「シコふんじゃった。」を出したのも、実は…。   (沼田)