◆5年前の9月に<なんとなく>始めた壁新聞。今はだいたい月3回のペースですが、何度かブランク期間もありました。本文冒頭にあるのは、26号発行後10ヶ月の休止状態にあったことを指しています。
今回は、高校野球や大谷翔平選手のニュースから思い出した30号をご紹介。それにしても福島大会の決勝戦は凄い試合だったようですね。個人的には、よく遊びに出かける石川町の学校を応援していましたが、試合後は両校が握手して健闘をたたえあったそうで、清々しい気持ちになりました。
◆『まちポレ壁新聞』最新116号は、5階ロビーに掲示中です。
※101号以降のバックナンバーもあります。
まちポレ壁新聞 №30 2021年4月29日
夢の楽園
タイトル未定の新しいコラム (その30)
長らく休止状態にあった壁新聞が冬眠から目覚めたのは、地元紙からの原稿依頼がきっかけでした。そこに駄文を書いたら、暖かさに比例するがごとく「そういえば」虫が疼き出し、一気に連打となりました。
その新聞は硬派なので、本来私などの出る幕ではないのですが、場違いは承知の上で柔らかい文を寄せました。紙面が双葉高校野球部にスポットを当てていたので、それに関して感じたことなどを。
野球の基本は、当然ながらキャッチボールです。
そして、キャッチボールで忘れられない映画として真っ先に浮かぶのが、「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年)です。異議なし!の声で埋め尽くされる作品だという気もします。
トウモロコシ畑に「それ」を造ったからやってきた「彼」とのキャッチボール。「男心をくすぐる」映画のように思えるのですが、意外にも私の回りでは、妻をはじめ女性の人気も高い作品です。
そういえば先日、NHKの「日本人のおなまえ」という番組で、映画のタイトルにスポットを当てた回があって、この作品を引き合いに出していましたね。
当初は、「トウモロコシ畑のキャッチボール」という邦題でした。まさにそのものズバリ(笑)。この題名で、見に行きますか? 少なくとも、デートには誘えないでショ(笑)。
公開当時、私のいた劇場の音響設備はあまりいいとは言えず、ジェームズ・ホーナーによる名スコアの、重低音がビビりっぱなしでした。デジタルの普及した今、そして、息子を持つ身となった今、再見したいですね。
余談ながら、このたびのコロナ禍により無観客で開催した野球の試合もあり、それは逆に雑音のない分、<生の>球場にいるような感覚も覚えました。反面、去年行われる予定だった、「現地での」ホワイトソックス対ヤンキースの試合が、コロナの影響で中止になったのは、残念至極!
邦画では、私は「博士の愛した数式」(2006年)を挙げます。
こちらは、祖父と孫「のような」ふたりのキャッチボール。涙がこぼれます。
書きたいことはいっぱいあるけれど、内容に触れずに数行で紹介はできません。
本筋と無関係なこと。
小川洋子さんの原作も美しく素晴らしいのはもちろんですが、蒔能の場面で、観客としてカメオ出演した原作者の隣人が高村薫さんに見えたのですが、お二人の交友は不明だし、触れている記事も見たことないから、単に似てるだけ?
いつもの長いあとがき
今回、野球にまつわる映画を取り上げようと思ったのは、「野球少女」の存在もあります。
見る作品を選ぶ基準は人それぞれでしょうが、この作品を見たいと思ったのは、ポスターからでした。本ポスターのキービジュアルもいいけど、様々な角度から焦点を当てた物が数種類あり、特にキャッチャーのプロテクトマスク越しの画像のものが秀逸。フレームの中央には、投球後のピッチャーを小さく捕えるという見事な構図です。
本職のカメラマンによるものらしく、映画とは無関係ですが、どれもピッチャーの鼓動や息づかいが聞こえてくるようでした。もっとこれを使った宣伝をすれば、観客動員増につながったのではという気もします。私がひたちなかで見たときは、私以外は女性二人のみ。小名浜での上映も一週間で早々に打ち切り。
低予算ながらも(試合の場面がない)出来は良く、不入りがゆえに逆にカルト化するかもしれません。私は密かに「2020年代の『ある日どこかで』」と呼んでいます。
作品に戻します。
主人公の「オレがエース!」的性格は正にピッチャー向きで、あさのあつこさんの名作「バッテリー」(1996年、映画化は2007年)を思い出しました。
順序は忘れましたが、映画も見て、原作も読み、エースではないけど、ピッチャー経験もある息子にも一緒に見ようと勧めましたが、願いは叶わず…。
「バッテリー」を映画化した東宝には、「遥かなる甲子園」という作品もあります。
1990年の製作で、沖縄のろう学校野球部が甲子園を目指すという実話の映画化。主演は大林宣彦作品の常連林泰文くんで、デビュー間もない頃じゃなかったかな。
選手同士の声、球場の応援をはじめ、打球音、グラブに収まるボールの音、そう言ったものが一切聞こえない中での野球がどういうものか、私はただただ想像するしかありません。実際に高野連は「危険だ」という理由で、加盟を認めず、その経緯も映画では語られます。
内容からすると教育臭が漂いそうですが、そういったものは感じられず、登場人物たちのひた向きさの伝わる好編といえました。
野球編は、続きがあるかな? 林泰文くんのことも書きたいしな。(沼田)