壁新聞

【『まちポレ壁新聞 -電子版-』更新しました。】Vol.53

◆病み上がり後は月イチペースだった壁新聞ですが、今月は早3回も出してしまいました。そこで通算三度目となる最新号のご紹介をば。
 見出しの意味を解説すると、二本立てとLPという本文のキーワード、前後半の二部構成、旧作と新作(といってもリバイバルですが)という編成から名付けてみました。
 プラス、『日本人よ、これが映画だ。』という作品を一人でも多くの方に見てほしいからという思いもあっての出来立て同時リリースです。

◆『まちポレ壁新聞』最新132号『A面B面』(5/14発行)は、5階ロビーに掲示中です。
 ※111号以降のバックナンバーのファイルもあります。

まちポレ壁新聞 №132  2024年5月14日

A面B面

駅前純情シネマ その26

おやすみビデオをよく見る妻が、ある晩何かを再生し始めました。
 ん? 銅鑼の音にかぶさるあの会社のロゴマークは…ゴールデンハーベストじゃないか! そして、「警察故事」のタイトル。おおおぉっ、「ポリス・ストーリー」(1985年)だぁ。そういや、連休中にBSで『サメ!ジャッキー!インド!』という特集をやるって、ネットに出てたっけ。
 しかし、どうしてこの三つが一括りになっているんでしょう? 私はかねがねインド映画を評価するのなら、ジャッキー・チェンだってもっと評価されるべきだと唱えていますが、サメは???です。よくマサラでサメの着ぐるみ?レースをやっている記事を見ては、なんで?と思っています。なんでやねん?

 「ポリス・ストーリー」は、前の会社に入って間もないころ、お正月映画として上映しました。同時上映は「コクーン」(1985年)。東宝東和と20世紀フォックスが手を組んだ最強の2本立て。しかし、あにはからんや「コクーン」は興行的にパッとせず、ジャッキー人気に支えられた感がありました。
これは、宣伝を間違ったのかも。SF大作風な売りでしたが、中身は老人が主役のファンタジー。アメリカでは続編が作られるぐらいヒットしたようですが、日本では相手(タイミング)が悪かった。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と「グーニーズ」を向こうに回したんですから。
 ただ、個人的には大好きな作品で、ハードウォーミングな佳作だと思っています。
俳優も、ドン・アメチー、ヒューム・クローニン、ジェシカ・タンディなど往年の名優たちが生き生きと演じ、コメディが得意のスティーヴ・グッテンバーグがそれに絡んでといった具合で、バランスも良かった。

 監督はロン・ハワード。俳優時代の「アメリカン・グラフィティ」に於けるあどけない少年というイメージだったのが、この後、「バックドラフト」「アポロ13」など大作を多く手掛け、確固たる地位を築くようになりました。

アメリカ映画を見ていて感心するのは、セットなどの「古びた感」です。「スター・ウォーズ」シリーズのキャラクターなどもしかり。
「コクーン」では、ラストで飛び立っていく宇宙船の底が写りますが、その船底がちゃんと汚れているのです。この数年前に見た「天平の甍」(1980年)での、何ヶ月もかけて中国まで渡った船が、真新しいままだったのとは対照的でした。話しの本筋からはそれますが、こういった細部にはこだわりを持ってほしいですね。そうでないと一遍に夢から覚めちゃいます。

いつもの長いあとがき
 
 この当時、キャラクター商品で定番だったのは、LPバッグ、缶ペンケースです。これらは、「E、T、」や「ゴーストバスターズ」あたりから出始め、必ず取り扱われていました。しかし、時代の変遷とともに消え去ることに。当然ですよ。今だと、「LP」という言葉から説明しなくてはならないわけですから。前者は使い勝手がよく、重宝してたけどな。レコードはもちろん、教科書入れ、ランドリーバッグにもなったし。後者は、ペン自体を持ち歩くことが減りましたよね。
 
 今、それらに取って代わったのが、アクスタですかね。主役たちといろんなところに<出向いて>撮影し、それをSNSにあげてバズるといった具合。夏の「ミニオンズ」に至っては、前売り特典にも付いています。

 前号で、最近のパンフレットは高すぎるということを書きましたが、5年ぶりに再公開されている「パジュランギおじさんと、小さな迷子」のソレは、何とたったの600円。内容は初版のままですが、この5年間での物価上昇を考えたら、据え置きは新規のファンにとっては感涙ものです。
 もちろんこの間、インドとパキスタンの政治情勢の変化や、映画界にとっても「RRR」以降という変遷もあり、改訂版にすべきという意見もあるかと思います。しかし、ファンが待ち望んでいた作品をリバイバルしてくれたというだけでも感謝すべきでしょう。

 私は、幸いにしてこのリバイバルが初見となりました。妥協してビデオで見ていなくてよかったー。
 涙でスクリーンがまともに見られなくなりつつ迎えたラストの群衆シーンでは、何故かトートツに「海は死にますか、山は死にますか」という歌詞をリフレインしていた私です。

 その晩、久しぶりに帰省する息子のために家の掃除をしていた妻は、(バジュおじは)「何時間あるの?」と私に問いました。「2時間40分」と私。「3時間! 私はその間、家族のために掃除してたんだよ」→「オレは世界(平和)のために映画見てたんだよ」。いきなり、個からワールドワイドに広がり、その場に似つかわしくない回答をしてしまいました。もしかしたら、昼間の『防人の詩』がどこかで繋がっていたのかもしれません。
 しかし、もし、もしもこの映画を戦火にまみえる地域で上映したら、すぐにでも戦争は終わるのではないか、そんな理想論をかざしたくなるぐらい心を<無>にしてくれる作品でした。少なくとも、ほんの2年前までこの映画のことを知らなかった私の心をこんなにも揺り動かした点において、この映画を作ってくれたスタッフ・キャスト、そしてこの映画を見に来てくれて、作品を<完成>させてくれたお客様に「ありがとう」と素直に言える作品でした。   (沼田)