◆166号が尻切れトンボになってしまったために、続編といえる167号は短いINTERRRVALでの発行となりました。そこで今回は、前編ともいえる166号をご紹介します。
後半の大ヒット記念品のくだりで私腹を肥やすエピソードを記しましたが、この場合は「私服を肥やす」じゃないのと友人が(笑)。
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まちポレ壁新聞 №166 2025年8月28日
映画もTPO
駅前純情シネマ その60
映画も一期一会。今日しか見られない映画があるけれど、生憎体調が悪い…。そんな時みなさんはどうしますか?
私は基本「強行派」です。ミニシアター系の作品を多く見る私の場合、常に「今日がその時」。その日を逃すとそれこそ一生見られなくなるかもしれないからです。もちろん強攻策が裏目に出る場合もあります。先日の「この夏の星を見る」はまさにそれ。今年最も楽しみにしていた作品だから早く見たい、ましてや好みの「青春もの」。期待感満杯で臨みました。ただ、夜中に目が覚めて眠れなくなり完全な寝不足状態だったのです。その結果…。
もともとその日は、「冬冬の夏休み」→「この夏」の予定でいたのですが、午前中に高校野球を見ながらウトウトしてしまい、前者は断念。ただ、ひと眠りした分大丈夫と踏んだのがそもそも間違いのもと。前半の記憶が何箇所も飛んでいます。大体、一週間働いた休みの日に行くんだから、体調がベストなんて日の方が少ないのですが。
今更嘆いてみてもしょうがないけれど、最大の問題は再見する時間があるかどうか。そこをなんとか時間を捻出して、今週再戦してきました。
いやぁ驚きました。前半は初めて見るシーンの連続なのです(笑)。こんな映画の楽しみ方もあるのかと思ったぐらい(笑)。ただこれは、導入部のエピソードが演者のリアリティに欠け、入っていけないのも要因の一つ。再見しても全く同感でした。そうは言っても、この場面がラストのいいエピソードにも繋がりもするのです。後味の良さもあり、辻村深月さんは未知の作家ですが、読んでみたくなりました。
劇中、「コロナでなければ我々は出会うことはなかった。良かったのか悪かったのか」というセリフがあります。現在大学生の息子は、この作品と同世代。失われたものは多いに違いないけれど、逆に得たものもあるはずです。ヨルシカの「灯星」と共に流れるオフショットの数々を見ながら、現場はきっと「スターライト」を大合唱したり、高校の部活合宿のようだったんだろうなと感じました。
そしてラストシーン。「ペペ・ル・モコ」を想起しながら、絶妙のタイミングでエンドクレジットがインサート。加えて、おまけのエピローグもグッド。
総評としては、「がんばっていきまっしょい」以来、東映に突如出現した青春映画の佳作です。1.5回見てよかった(笑)。
いつもの長いあとがき
映画が大ヒットすると、配給会社や作品の製作委員会から記念品が贈られてくることがあります。
一番多いのは当然ながら、感謝状。A4用紙に印刷された文字に目を通していると、忙しかったなあという感慨が甦ります。
形のあるモノとしては、盾、アニメだと色紙、オブジェ、掛け時計、シャツ、大入り袋など。贈呈する「関係者」をどのあたりまで広げているのかは不明ですが、劇場のみだとせいぜい数百個単位だと思います。ところが、その稀少価値を狙って転売する輩もいるようです。そんなことから、近年はシリアルナンバーが入るようになりました。劇場に対する感謝の品なのに、どうして私腹を肥やそうとするのか、理解しがたい行為です。
先日、親戚で新盆があり、正装ではない白いシャツを探していたところ、ジブリから大ヒット記念で贈られたシャツが出てきました。何年も前に頂いたものだけれど着用する機会が少なく、状態は良好なのでそれを着て出かけました。殆ど着用していないのは、胸ポケットがないからなのです。ということは、名札、ペン、老眼鏡などが入れられないわけです。これは不自由。その代わり、ズボンに隠れて見えなくなる部分に、キャラクターのワンポイントが入っているという乙な作り。まあ、前出舌の根も乾かぬうちに「私腹」を肥やしているわけですが(笑)、洋服ですからね。みんなでというわけにはいきません。
今年、終戦記念日に「雪風」が封切られ、スマッシュヒットとなりました。
かつてはお盆と言えば、終戦記念日に合わせて戦争映画が必ず公開されていました。例えば、「二百三高地」→「連合艦隊」→「大日本帝国」と各社が社運を賭け、総力を結集した大作が1980年から毎年公開され大ヒット!
私はそれらを振り返ると、「防人の詩」→「群青」→「契り」といった主題歌が甦ります。数十年経ち記憶もかなり曖昧ですが、「二百三高地」で浮かんでくるのは、戦場で銃弾に倒れるあおい輝彦さん。それがスローモーションになり、故郷で待つ恋人夏目雅子さんとの回想シーンがセピアトーンでフラッシュバック。そこへさだまさしさんの主題歌が切々と流れ…。実際にそんな場面があったかどうかも定かでなく、これは私の脳裏で再生されるイメージ画像です。
そして、この3曲に共通するのは、曲の長さ。どれも6~8分ぐらいあったのではないか?(未確認) それらが劇中でフルバージョン流れたかは覚えていないけれど、オールスターキャストや特撮スタッフを考えたら、エンドクレジットで延々と流れた可能性もあります。
ふと思い立って、上映時間も調べてみました。個別は触れませんが、トータルで8時間30分。封切で見たときに3時間もあったような記憶がないのですが。昔の映画館の硬い椅子によく耐えたもんだわ。 (沼田)