◆最新号は珍しく上映中の最新作について触れたので、今回はそれを取りあげます。もともとは「Time My-Scene」とコーナータイトルをつけていた通り昔ばなしがほとんどだったのですが。
本文中に半世紀近く前の「シナリオ」誌が出てきますが、これは「泥の河」だけでなく、同じ映画館でアルバイトをしていた知人が書き、見事新人コークールで入選したシナリオが掲載されているためです。すぐ取り出せるところに置いてあるのです。
◆『まちポレ壁新聞』最新159号『映画を追いかけて』(5/20発行)は、5階ロビーに掲示中です。
※131号以降のバックナンバーのファイルもあります。
まちポレ壁新聞 №159 2025年5月20日
映画を追いかけて
駅前純情シネマ その53
コレクションの所在記憶にはちょっとした自信がありますが、車に持ち出す回数が多いCDは、パンフレットと違い置き場所を把握しきれていません。「青地でバイクに乗ってるスピッツのCDって何だっけ?」と妻に声かけながらラックを探していると、元ファンクラブ会員の妻からすかさず、「インディゴ!」と即答で返ってきました。さすがっ。
続けて、「何で探してるの?」というので、「今日見てきた『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』で、『○○』が主題歌風に使われているの」と返すと、どんな曲だっけ?と言いながら、早速妻は、スマホを手にその曲を再生していました。
スピッツが全国区になったのは、1996年のドラマ「白線流し」において「空も飛べるはず」が主題歌に使われてからだと思いますが、私はこのドラマを未見です。しかし、映画仲間の女性がグループのファンだったこともあり、その少し前から彼らの存在は知っていました。初めて聞いた時、「新鮮なのに懐かしい」という感想を持ちましたが、おそらくそれは多くの人が感ずるもので、だから老若男女問わず、長年にわたりファンから愛され続けているのでしょう。もう何年前になるのか、妻の誕生日に3枚組ベスト盤をプレゼントしたのですが、「自分が聞きたいからでしょ」と妻から図星を指されてしまった懐かしい記憶が甦ります(笑)。
さて肝心の映画ですが、好評につき、1週延長して5/29までの上映となりました。ゆえに、上映中の今は詳しく触れられません。Xを漁っていると次から次へと絶賛の声が挙がってきて、私自身も情報を遮断するのに苦労しました。伊藤蒼ちゃんにまつわる書き込みが多いですね。私は「さがす」と「空白」の彼女しか知りませんが、やたらと長い本作のタイトルが、新たにフィルモグラフィーのスペースを占拠することは間違いないです。
もう一人の旬の女優、河合優実ちゃん。出ていることは知っていたけれど、ポスターのお団子ヘアーが彼女だったと、本編を見て初めて分かりました(笑)。やはり、彼女の出演作にハズレなしを再認識です。
ということで、内容の核心に触れずに1ページ費やした結論です。
できるだけ白紙に近い状態で見てください。その方が堪能できること間違いないです。私は映画を見終わったその足で、本作のシナリオが掲載された「シナリオ」誌最新号を買うために本屋さんへと車を走らせ、運よく、ラックに並んだ最後の1冊を買うことができました。そして、翌日。「インディゴ」を流しながら通勤し、そのまま5階ロビーで「インディゴ」をプレイヤーにセットしたのです!
いつもの長いあとがき
前ページに記した「好評」という言葉。これは一般的に、興行面を指したものです。補足すると、大ヒットというわけではないけれど、しかるべきターゲットの層が来場していて、<健闘>している場合によく使われます。本作も、普段まちポレではあまり見かけない若年層が中心です。
加えて、作品のクオリティが高い場合にも用いる言葉でもあります。先日はリピーターの姿を見かけたのでお声がけしたら、(延長と知り)もう一度来れるかなと、嬉しそうに返してくれました。目先のことだけ考えたら、ほかの人気作品を延ばした方がいいのかもしれませんが、それでは先細りとなってしまいます。若年層の開拓という長期的な展望に立って考えた上での結論です。
余談。物語にあまり絡まない場面で、松本穂香さんが出てきます。これって「私は光をにぎっている」(2019年)ネタなんだろうけど、その理由は何なの?
月刊シナリオを購入したのはかなり久々です。2年間ぐらいでしょうか、いっとき、定期購読していた時期がありました。ただ、読むのが追い付かなくなってやめてしまったのです。今回私が買い求めた一冊は、「ラスト」だったのか、はたまた「ファースト」でもあったのか、興味がわきます。冷静に考えて、いわきでそんなに需要があるとも思えないもの。
この6月号は税込み1,210円でしたが、1981年6月号(「泥の河」収録)が700円だったことから考えても、割安に感じました。しかも、ほかに「花まんま」「東京予報」、丸山昇一脚本の「ふ・た・り・ぼ・っ・ち」など5編が収録されているのです。
シナリオも買って、サントラ代わりのスピッツも聴いて、映画も再見するチャンスを窺っているのですが、実はパンフレットは購入せずにいます。以前にも書きましたが、パンフレットの千円は高いですよ。だったらもう一回見た方がオトクと思っちゃいますね。
ところで、パンフレットの累計売上ってどれぐらいなんでしょう? これを「書籍」と考えたら、とんでもないベストセラーだったりして⁉ 映画のヒットランキングは発表されるけれど、こちらは聞いたことないから、野次馬的にもキョーミがあります。 (沼田)