壁新聞

【『まちポレ壁新聞 -電子版-』更新しました。】Vol.92

◆出来立ての最新164号では、インド映画について熱っぽく語りました(笑)。

そこで今回は、2シーズンぶりの「インド印映画まつり」も1ヶ月後に迫ったことだし、昨年秋、他県に遠征して参加した「RRR」マサラ上映を中心にまとめた121号を紹介します。こうしてみるとインド映画に対する姿勢は、ブレずに一貫していますね。

 

◆『まちポレ壁新聞』最新164号『本日公休です。』(7/27発行)は、5階ロビーに掲示中です。

※141号以降のバックナンバーのファイルもあります。

 

まちポレ壁新聞 №121  2023年10月13日

普通の人々

駅前純情シネマ その15

 

電子版35号の前説に記した通り、この3連休は水戸芸術館に遠征して「RRR」応援上映に参加してきました。小名浜で見て以来だから、およそ5ヶ月振りとなりますか。

直前に同級生女子も参加するという連絡を貰い、アドバイスを求められました。私自身も「マガディーラ完全版」マサラしか経験はないのですが、とりあえず①「100均でタンバリンか鈴を買ってきて、それを鳴らしていると参加している感が味わえますよ」。②「必ずしも応援を強要するものではないので、映画に見入ってしまっても臆することはないよ」。この二点をアドバイスしました。

これを受けてマラカスを仕入れてきたと言うので、「叩き過ぎて壊れるかもよー」軽くジャブをかましてビビらせときました(笑)(実際にタンバリンは一部破損することもあります)。

ともかく彼女は作品自体が初見になるので、②は強く言い含めました。

 

最近の応援上映では、茶化すようなツッコミが問題になっていると聞きます。せっかくの雰囲気をシラケさせ、ブチ壊すようなヤジが入ることがあるらしいのです。そんな輩は恐らく自分の<通ぶり>をひけらかしているつもりなのでしょう。勘違いも甚だしい。

この日も一回だけそれがあって、そんなに場がシラケるほどではなかったけれど、ない方がもっと良かったなとは感じました。せっかくどっぷり夢世界に浸っているのに、要らぬ掛け合い(スクリーンに話しかける)が入ると現実に戻っちゃうんですよ。

 

この日の観客は、私の同級生と同じく「RRR」はもちろんインド映画が初めてという方、県外からの遠征組(私もその一人か)、あるいは20~30回以上見ているという強者ども、それらに交じってお子さんの姿もチラホラあり、結果的にいい雰囲気で終えることができました。

ただ、主催者はもちろん私自身もソールドアウトを期待していた身だったので、会場に空席があったのはちょっと残念ではありました。確かにインド映画ファンのすそ野は広がっているとはいえ、まだ<マイナーなメジャー>クラス止まりなのでしょう。

 

このことは、今回のまちポレのインド印映画まつりにも言えます。

各地で「RRR」公開1周年を前にしたイベント上映が盛んになったので、かなりの苦戦です。

集客を考えたら、マサラなどの派手なイベントはそれなりの反応は見込めます。しかし一過性に終わらせないために、一般的な知名度が低くとも地味な良作も浸透させようと、<普通の>ドラマ作品の上映も続けて行くことを意識しています。そうしないと真の意味で<普通>にはなりませんから。

 

いつもの長いあとがき

 

今回の「きっと、うまくいく」は映画祭で2月にやったばかりなので、上映すべきかちょっと迷ったけれど、素晴らしい作品でした(私自身初見)。知らないから純粋に感動したし、逆にこれを知名度のある俳優たちが演じたらもっとアピールしたろうなとも思いました。

私は、アーミル・カーンとトム・ハンクスがダブり、「フォレスト・ガンプ」を連想したのですが、なんと、アーミル・カーン主演でリメイクされていたんですね。日本では未公開のようですが。他にも主役3人のうちの一人は、日本の役者だったら仲野太賀クンをイメージキャストしました。

とにかくやって良かった。すこぶるお客様の反応もいいし。「KGF」の時に見かけた若い女性もいらしてくれて嬉しかったですね。

 

週末からは、いよいよ「マダム・イン・ニューヨーク」です。

この作品、評判はもとより、主演のシュリデヴィさんに一目惚れしたから選出したということにしておきます。外向けのアピールとしてね。

しかし、すでにこの世にはいないんですよ。まさに美人薄命…。

以前に上映した「めぐり逢わせのお弁当」のイルファーン・カーンにしても、上映時にはすでに故人。でも、こうして10年以上経っても作品とはめぐり逢うことができた幸運に感謝したいです。

 

10月10日前後、ネット上ではラージャマウリ監督へのおめでとうコールが席巻しました。ちょうど50歳だそうです。水戸芸術館での「RRR」のエンドクレジットでも、『赤い服着たヒゲのおじさん』への拍手歓声がひときわ大きかったし(余談ながら、それ以上に「おとーさん」への拍手が一番でした。ウレシイ)。

私はかつて、『もし宮崎駿監督が「風の谷のナウシカ」以降一本も映画を撮らなくても、世界に誇る監督であることには違わない』と記したのですが、この冒頭を『ラージャマウリ監督が「バーフバリ」「RRR」以降』とそっくり入れ替えても通用しますね。どなたが言い出したか知りませんが、<創造神>とは何と見事で的確な言葉でしょう!

 

最後に大切な余談。

「マダム・イン・ニューヨーク」のトークゲストに今回もお招きした山田タポシさん。「インド映画愛好家」に加えて、「作家」という肩書が追加されました。呼び出しのコールは、ZOZOマリン風に「山田タポシせんせ~~」にしようww                            (沼田)