壁新聞

【『まちポレ壁新聞 -電子版-』更新しました。】Vol.11

◆数日前、3週間ぶりに壁新聞を発行しました。今回はひとつ前の号をお届けします。先日、「(私が「RRR」に)そんなに入れ込んでいるから見に来ました」と知人がご夫妻でいらしてくれました。例えば3月下旬に街頭インタビューで「今一番関心があること、アルファベットで3文字は?」と問えば、十中八九「WBC」と返すであろう日本人の中でも、沼の民だけは……笑。妻も「内助の功」発揮で、明日同僚と2Rめです。

まちポレ壁新聞№105 2023年3月31日

内助の功

Time My-Scene ~時には昔の話を~ (vol.70)

 WBCに沸いた日本列島。我が家もご多分に漏れません。3月22日が公休だった妻は、準決勝の結果をドキドキハラハラしながら待ち、決勝戦の日は、布団にもぐったまま一日を過ごしました(←この部分やや誇張表現あり笑)。
 会社の状況も同じです。
 「RRR」を見ると約束してくれたスタッフがなかなか見てくれないので、「WBCの試合は4時間かかるんですよ。『RRR』はそれより短いたった3時間ですよ」とチクリと言ったのですが、逆に「小名浜で見ますから」と混ぜっ返されてしまいました(笑)。まぁ、あんな漫画でも描けない〈ドラマ〉をやられたら、それこそあれを生で見ないのは<人生の損失>だったかもしれませんね。
 
 <インド印映画まつり>はまだ続いているのですが、WBCロスに「RRR」ロスも加わって、まちポレはひっそりと静まり返っています(笑)。
 でも、そんな空気にふさわしい「めぐり逢わせのお弁当」を上映中です(執筆時点。30日で終了)。一人静かに余韻に浸っていただけたらと思っています。
 一転、小名浜は沸き返っていることでしょう! 大スクリーン・大音響で「RRR」を楽しめるのですから。それこそ大昔で言えば〈立体音響〉でお楽しみいただけるわけですが、ただの爆音に非ず、です。今回は音響のプロ、いわきCLUB SONICのスタッフに調音・整音をお願いしました。「RRR」に合わせた音作りです。まさに百聞は一見に如かずです。まずは聞いて、見て、お楽しみください。一週間で、静と動のインド映画をお楽しみいただける黄金週間です!

 妻はというと、「『RRR』は、やっぱり「バーフバリ」を見てからだよ。いわきではやってないでしょ」と知ったかぶり兼皮肉を言い、痛いところを突いてきます。更に「私は『世界まる見え』で数年前からインド映画の紹介してたのチェックしてたんだからね」と続けます。
 7月の5周年イベントまで待ってろよという言葉を飲み込みつつ、数日後に何とかその重い腰をあげさせて、二人で見てきました。二人並んで映画なんて何年振りでしょう(笑)。しかも舞台は、音をリニューアルしたスクリーン1です。これ以上のシチュエーションはないでしょう。
 トイレを我慢出来ずに、エンドクレジット途中で退席した妻でしたが、「ツッコミどころ満載!と言いながらも充分に堪能し、友人や職場で『面白いから見て』と布教に努めてくれてます。←内助の功(笑)
 
 それにしても音が段違い、いや<格違い>によくなりました。調整前にチェックしたときは、極論すればただ音がデカいだけでしたが、個人的には<整音上映>と商標登録したいぐらいです。

いつもの長いあとがき

 転じて、「めぐり逢わせのお弁当」です。
 どうして「会わせ、合わせ」でないのかずっと疑問に思っていたのですが、予告を見て氷解しました。「めぐり逢えたら」にインスパイアされての邦題なのですね。でも、本編を見たら印象が違いました。上品で洗練されているのです。観客の判断にゆだねるという結末も深いものがあります。
途中浮かんできたのは、黒澤明監督の「生きる」です。そう思ってみると、主演のイルファン・カーンは志村喬さんに似てなくもない感じがします。その辺を意識していたのか、あるいは影響を受けているのか興味があります。ただ、この作品は、インドの風習や文化が分からないと、上辺だけの評価しかできないだろうなとも感じました。
 
 「RRR」に〈沼の民〉が来てくれるのは予想できることでしたが、「めぐり逢わせのお弁当」は、期待はあっても実際に集客はどうか…。しかし、日曜日にはびっくりするほどのお客様が来てくださり、遠方からのお客様が多かったことが窺えます。先日は埼玉から(川越スカラ座が近いと仰ってました)という女性がいて、何と朝7時過ぎに出たとか。カンドー。わずか一週間の上映で古い作品(2013年/翌年公開)にもかかわらず、「あなたの名前を呼べたなら」を上回るお客様が見てくださいました。感謝です。

この稿を書いている途中で、「RRR」のまちポレでの復活上映が決まりました。今回は、ご要望の多かったINTERVAL付きです(注/ホントの途中休憩ですよ)。やってみて、実際に皆さんの声を聞いてみたいと思います。いっそのこと休憩有りや無しや投票でもしてみますか(笑)。 

 このところ新作の話題が中心となり、気が付けばコーナータイトルとの不一致が続いています。最初の頃は、タイトルそのままどころか、〈いつも〉誰も知らないような古い作品のことばかり書いていたのに(笑)。
 そうだ! アカデミー賞が発表された日に、BSで「グリーン・デスティニー」が放送されましたね。もちろん、狙ってのことでしょうが。2000年に公開されたとき私は郡山にいて、休日のレイトショーで見た記憶があります。作品はもちろん良かったのですが、つくづく感じたのは、アン・リー監督との相性の良さ。「恋人たちの食卓」(1994年)、「いつか晴れた日に」(1995年)はともにその年のベストクラスです。で、本来はこの後に2012年の「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」→イルファン・カーンへとつなげたいところですが、実は未見でして。やっぱり映画は記憶の連鎖だから、見てないというのは致命的ですね。               (沼田)