壁新聞

【『まちポレ壁新聞 -電子版-』更新しました。】Vol.14

◆毎回、次号はどれにしようかなぁと思いめぐらしながら古い号をパラパラとめくるのですが、大体80号以降しか見ていないことに気付き、そうだ!いっそのこと、とにもかくにもの創刊号にしようと思い至りました。およそ5年も経つのか…。
 出すことが目標ゆえ先々のことなど考えておらず、コーナータイトルもなく、見出しは後になってから付けたものです(見出しは20号から付けるようになりました)。字数も最少の1300字。今の6割という短さです。とはいえ、物語の始まりには違いありません。
 この見出しは、若い頃足繁く通った池袋文芸坐の企画上映『陽の当たらない名画祭』からのイタダキです。

まちポレ壁新聞№1 2018年9月8日

陽のあたらない名画

おそらくは、このいわきでは上映されることはないかもしれない。でも、いや、だからこそせめて文字に(残)したいと思うのです。

 <あの>「まぼろしの市街戦」が、修復されてリバイバルされるという。
心底再見したいと思う。

 名作とか傑作という言葉は、この作品にはそぐわない。知名度も低いだろう。
だからと言ってカルト的な作品というわけでもない。小品佳作という言葉が一番ふさわしいかもしれない。ベストワン!とは声高に叫ばず、これもいいんだよ、実は大好きなんだという感じ。でしゃばらないのです。

 私がこの作品を知ったのは、多分「ぴあ」のおかげです。
 毎年行っていた『ぴあテン』と『もあテン』。前者が新作が対象で、後者は新旧問わず、要するにオールタイムのベスト。この『もあテン』で毎年上位に顔を出していた<知らない名作>だったのが、「まぼろしの市街戦」でした。

 監督=フィリップ・ド・ブロカ、主演=アラン・ベイツ、音楽はジョルジュ・ドルリュー。そして、忘れてはらない(忘れられないに決まっている!)ヒロインにジュヌビエーブ・ビジョルド。

 ストーリーには触れない。もちろん、忘れていることが多いからだけど、今はその気になればすぐに調べられるでしょうから。

 製作は、1967年。まさに半世紀前。
 奇しくも、この年はフランスからもう一本『もあテン』の常連「冒険者たち」が作られた年なんですね。こちらのヒロイン=レティシアと「まぼろしの市街戦」のコクリコは、おそらく70歳前後の映画ファンにはそれこそ永遠に忘れられない名前でしょうね。久しぶりに東京まで見に行こうかな。

雑 感

 前任地で、ミニコミ(番組表)を作っていた。

 作品紹介はもちろん、読者(観客)のコーナー、スタッフの持ち回りコラム、外部への依頼原稿、座談会、クイズ、イラスト募集、ベストテンごっこ、などなど。いろいろ何でもありでした。まぁ、スクリーン1の場内のようとでも言えばいいのか(何という例えだ)。
 私は約9年間関わり、いわきへの転勤で幕引きだったのですが、その当時に次はこれだなと思っていたのが、この壁新聞です。

 しかし、そんなことも月日とともに忘却の彼方へ…。
 その、ハン・ソロのごとく、十数年間も冷凍保存されていた記憶を呼び覚ましたのが、駅前の既存館のリニューアルに伴う単館系への番組移行でした。
 ただ、その当時は、こんなSNSの普及を夢想だにしなかったので、いくらこちらが<究極のアナログ>壁新聞、そこへ行かないと読めない!と声高に謳ったところで、スマホでパチリとされたらハイそれまでよ、てなもんだし。もっとも、そこまでしたくなるような代物でもないか。

 最後に、これを思いついた時から温めていた究極のおやじギャグをこれまた冷凍保存から解凍するとしよう。もし、わざわざこの壁新聞を見に来る奇特な人がいたら、それこそ効果ヘキメン!だわい。

 そうそう、一つ大事なことを忘れとりました。今日、あなたが見に来ている映画館は、実はポレポレいわきではありません。まちポレいわきです。ほら、レシートにちゃんと印字されているでしょう(7月13日付けで変わりました)。

 次号は、思いつくままに、思いついた時に。

(沼田)